ソリューション株式会社の船越です。

DNA鑑定事業を開始して今年で16年目となります。最初の頃は、「DNA」ということば自体も一般の方には全く認知されていませんでした。もちろんDNAを調べて親子鑑定ができることもほとんどの方がご存じではなく、啓蒙活動にとても苦労したことを覚えています。でも、16年経った今でも、DNA鑑定をするのに必要なサンプル(試料)として皆さんがおっしゃるのが「毛髪」です。テレビドラマの影響もあってか、髪の毛で問題なく検査ができると思われている方が多く、お問い合わせいただくなかにも、「落ちていた髪の毛を保存しているので鑑定してほしい」というご要望も少なくはありません。「毛髪」からはDNAの抽出がほとんど出来ません。もう少し詳しく言うと、毛髪の中間部および先端部ではDNAの抽出は極めて難しく、直接地肌から引き抜いた毛根部であれば抽出の可能性が出てきます。ここまで、毛髪のお話をしましたが、DNA鑑定に最適なサンプル(試料)は、「口腔粘膜細胞」です。当社では、必ず被鑑定者ご本人からスタッフが専用綿棒で頬の内側の粘膜を採取いたします。痛みもなく、傷も付きませんので、抵抗が少なく採取できます。他社では、よく「だ液」と言っていますが、厳密にはサンプル種類としてだ液は不適当です。だ液そのものには脱落した細胞と雑菌が混ざっています。だ液を通気性のないビニール袋などに入れておくと、雑菌が繁殖して、細胞内の核に存在するDNAを破壊してしまい、正常かつ十分な量のDNAが抽出できません。よって、採取した綿棒を通気性のある紙の封筒に入れ、邪魔なだ液を自然乾燥させ雑菌を死滅させる必要があります。そこに残ったものは、DNA抽出に最適な「口腔粘膜細胞」だけとなるのです。

本日も3連休明けにもかかわらず、たくさんの方よりお問い合わせおよびお申し込みをいただき、誠にありがとうございました。