ソリューション株式会社の船越です。

16年前の設立当初から、DNA父子鑑定のご依頼をいただく最大の目的は、裁判所、弁護士、個人のお客様などのご依頼主に関わらず、「300日問題」でした。民法第772条で、‘’離婚後300日以内に生まれた子は、元夫の子と推定する‘’とされており、何の措置も取らなければ、その子の戸籍上の父は元夫となってしまいます。真実が異なる場合でも強制的に元夫の子となってしまうことに異論を唱える方々がいらっしゃるのも理解できますが、これは「子の福祉」を重んじ第一に考えられたことであり、一刻も早く子が社会保障を受けられるようにとの思いが込められたものです。しかし、現実には、離婚が成立し、元妻は6ヶ月後には再婚でき、生まれた子を新しい夫の子として役所に出生届を提出に行き、不受理となって初めてその300日問題にかかることを知り、問題を抱えてしまわれる方も少なくありません。そのようなケースの場合は、出生届を出してしまうと実父の如何に関わらず元夫の子として戸籍に入ってしまうので、届けを出す前に家庭裁判所に「親子関係不存在確認」の調停を申し立て、元夫が子の生物学上の父でないことを立証することが必要になります。申立人は子、子の母は法定代理人親権者母となり、元夫が相手方となります。そして、実父は調停の当事者外であり、あくまでも元夫と子との間の親子関係がないことを直接立証しなければなりません。当事者によっては、元夫がDVや極端な非協力的であったりしてDNA鑑定ができない場合もあり、数年前までは、親子関係の不存在を立証できずに調停不成立または取り下げとなることも多かったようです。現在では、そのようなケースも考慮し、家庭裁判所が元夫からの協力が困難であると判断した場合に、実父のDNA鑑定への協力が得られれば「認知申立」に事件を代え、実父と子の間のDNA親子鑑定を行って、生物学上の父の戸籍に子が入れるようになりました。(ただし、各家庭裁判所の判断に依ります)また、出生が早産であって、離婚後に懐妊したことが産婦人科により証明されれば、離婚後300日以内に生まれた子であっても実父の子として認められるケースもあるようです。皆さんが解決したい問題の内容によって、適切なDNA鑑定は異なって参ります。DNA鑑定を申し込む前に、必ず鑑定会社にご自身が解決したい問題を相談なされて、適切な当事者(被鑑定者)での鑑定を行うようにしてください。

注)よくあるDNA鑑定の実例を一般の方々に分かり易くご案内したものです。法律に関わる事項に関しては、ご自身でご確認の上で、裁判所や法律専門家への事前相談をお勧めいたします。

本日もお問い合わせ、お申し込みをいただき誠にありがとうございました。