親子鑑定としてのDNA型鑑定と血液型鑑定

長年の間、親子(父子)の血縁関係を立証する手段として「血液型鑑定」が主流となっていましたが、1980年代になると、「DNA型鑑定」が技術的に可能となり、1990年代半ばには、日本でも裁判所で採用される鑑定手法の件数において、血液型鑑定に代わる手法となり現在に至っています。

「DNA型鑑定」と「血液型鑑定」を比較し、その違いをご案内いたします。

血液型鑑定では、一般に6種類の血液抗原システム(ABO型やRh型、Lewis型など)を検査し、父でないと断定できる一般集団を排除していきます(父性の排除)。仮に検査対象男性が生物学上の父であったとしても、血液型鑑定においては、1種類の血液抗原システムから排除できる一般集団は約15%程度に留まり、6種類すべてを検査したとしても約73%の一般集団が排除されるに過ぎません。要するに、約27%の一般集団に父である可能性が残されてしまいます。よって、血液型鑑定からは生物学上の父である決定的な結論を得ることが出来ないのです。(またごく稀ではありますが、突然変異の影響で、親から受け継がれた形跡の見受けられない血液型を子がもってしまうことも実際に発生しています。)

一方、DNA型鑑定は、1箇所のDNA型を検査することにより、平均で約85%の一般集団を父である可能性から排除することが可能で、3箇所以上必要を要するまでのDNA型を検査すれば99%以上の一般集団を排除でき、極めて高い確率にて父であることを推定できます。当社ではDNA型の検査箇所を13〜20箇所程度とし、納得のいく鑑定精度が得られるまで追加検査を行います。父性鑑定では、父である場合の父権肯定確率は99.999%相当、父でない場合は0%(100%完全否定)にて鑑定結果を算出しています。

*現在のいかなる鑑定手法を用いても、父でないことは100%否定できても、父であることを100%肯定することは不可能です。