「郵送でのDNA鑑定」と「子の母の同意確認」
個人の方からのお問い合わせで比較的多いのが、「郵送で採取キットを送ってもらい鑑定できますか?」や、男性からの「妻に内緒で父子鑑定を行いたいのですが?」です。
誠に残念ではありますが、当社ではそのいずれのご要望にも添いかねるものとなります。
国内でDNA鑑定を行うには経産省の「DNA親子鑑定に関するガイドライン」によれば、「鑑定スタッフによるDNA鑑定実施に対する対面での同意が必要」であることと、「個人や家族の福祉を重んじてのDNA鑑定の実施に努める」ことが求められます。
要するに、被鑑定者ご本人と対面での同意が得られない郵送でのDNA鑑定は行ってはならず、想定される父母の双方がDNA鑑定に同意し父・子以外にも母方からサンプル(試料)の提供を受けるよう努めることが重要である、ということです。
これらいくつもの項目をクリアした鑑定会社でないと、個人遺伝情報取扱審査基準を満たさず、審査委員会からの事業認定が得られません。
しかし、それらを守らないとしても、行政指導の対象となる可能性があるにせよ罰則規定がないことにより、採取キットを郵送してDNA鑑定を受け付けたり、弁護士などのご依頼以外で母に内緒で父子鑑定を行ってしまう鑑定会社が数多く存在します。(もちろん誠実に行っている鑑定会社も多く存在します。)
当社も民間企業でありますので、お客様からお問い合わせいただき、皆さまからのご要望が非常に多いそれらの鑑定をお受け出来ないことは、営利機会の損失であり苦渋の判断であります。
実際に、本人確認が不十分な郵送での鑑定を他の鑑定会社で行ったお客様から、鑑定精度や鑑定書記載氏名の信憑性、説明の不備に対する不信感を抱き、セカンドオピニオンを希望しお問い合わせをいただくことがしばしばございます。
また、子の母が鑑定に参加せず父子鑑定を行い裁判所に提出したところ不受理となり、再鑑定を当社で実施したケースも少なくありません。
「法的鑑定」とうたいながら、裁判所や大使館、出入国在留管理局のDNA鑑定を受理する側の立場に立った「求められる鑑定書」の手順や内容を踏まえていないことが原因です。
DNA鑑定を興味本位で行う方はいらっしゃいません。
「DNA親子鑑定」は、真実を真正面から受け止め、そこからご自身が抱える問題を適切に解決なさるための手段です。
当社の社名である「ソリューション(Solution)- 問題の解決」にその信念を込め、これからも当社をお選びいただいたお客様の問題の解決のために少しでもお役に立てるよう努めて参ります。